Railway vs. Fly
デプロイモデル、スケーリング、料金、開発者ワークフローの観点から Railway と Fly.io を比較します。
著者: AIイノベーションズ 阿部隼也(X / Twitter)Railway vs. Fly
アプリケーションのデプロイ先を選ぶ際、Fly.io と Railway はどちらも有力な選択肢です。このガイドでは、それぞれのプラットフォームが提供するデプロイモデル、スケーリング、料金体系、そして開発者体験について詳しく比較し、あなたのプロジェクトに最適な選択をサポートします。
デプロイモデルとスケーリング
Fly.io
Fly.io は、地理的に分散したエッジロケーションでコンテナを実行することに特化しています。fly.toml
ファイルでインフラを定義し、グローバルな低レイテンシーを実現することを目指しています。スケーリングは、インスタンス数やVMサイズを手動で調整することで行います。
Railway
Railway は、需要に応じてリソースを自動でスケールアップ・ダウンさせるアプローチを取ります。トラフィックが急増しても、手動での介入なしにシームレスに対応可能です。開発者はインフラの管理から解放され、コードに集中できます。
料金
Fly.io
Fly.io は、VM の実行時間、CPU、メモリ、ディスクストレージに対して課金されます。無料枠も提供されていますが、リソースの使用量を予測し、コストを管理する必要があります。
Railway
Railway は、実際に消費したリソース(CPU、メモリ、ネットワーク帯域)のみを支払う従量課金制です。サービスが非アクティブな場合は自動でスリープするため、無駄なコストが発生しにくいモデルです。
開発者ワークフローと CI/CD
Fly.io
flyctl
という強力な CLI を提供しており、デプロイや管理をコマンドラインから行えます。GitHub Actions との連携も可能で、CI/CD パイプラインを柔軟に構築できます。
Railway
GitHub リポジトリを接続するだけで、コミットごとに自動でビルドとデプロイが行われます。プルリクエストごとに独立したプレビュー環境が自動生成されるため、コードレビューやテストが非常に効率的です。
まとめ
機能 | Fly.io | Railway |
---|---|---|
デプロイモデル | エッジコンピューティング | 自動スケーリングクラウド |
スケーリング | 手動 | 自動 |
料金モデル | リソースベース | 従量課金 |
開発体験 | CLI 中心 | 自動化、プレビュー環境 |
Fly.io は、グローバルな低レイテンシーが求められるアプリケーションや、インフラを細かく制御したい場合に強みを発揮します。一方、Railway は開発体験の自動化と、手間のかからないスケーリングを重視するプロジェクトに適しています。
Fly.io から Railway への移行
Fly.io から Railway への移行は、比較的簡単です。
- Dockerfile の準備: Fly.io で使用している
fly.toml
に相当する設定を、Dockerfile や Railway の環境変数に移行します。 - Railway プロジェクトの作成: GitHub リポジトリを Railway に接続し、新しいプロジェクトを作成します。
- 環境変数の設定: Fly.io のシークレットを Railway の環境変数にコピーします。
- デプロイとドメイン設定: デプロイを実行し、カスタムドメインを Railway に向けるように設定します。
このプロセスで不明な点があれば、Railway のドキュメントを参照するか、サポートチームにお気軽にお問い合わせください。
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