零細IT企業がサブスク課金しているツール全24個を公開
著者: AIイノベーションズ 阿部隼也(X / Twitter)AIイノベーションズ社長の阿部です。
弊社は、常にいるメンバーはたかだか数名で、あとは単発で依頼するパートナーの方々のみのメンバーで運営しており、零細企業です。
小さな会社なので出費は多くないのですが、毎月カードの明細をチェックするたびに「サブスク重いなー」と思っています。人やサービスに支払う金額についてはあまり感じないのですが、なぜかサブスクは重く感じます。個人でも企業でもキャッシュの管理的に基本的に固定費は最低限にすべきというのもありますし。
そんなサブスクですが、先月会社で支払ったサブスクの総額が 約6.4万円 でした。
「うちみたいな小さな会社でも、ツールのサブスクだけでもこのくらいかかるんだな」と少し驚きます。
弊社はソフトウェア主体の会社なので利益を圧迫するほどでは決してないのですが、それでもサブスクってどんどん積み重なっていって重くなっていきます。
とはいえ、どれも事業運営には欠かせない大切なツールばかり。業務効率化やサービスの質向上、そして業績につながるものなので、積極的に課金して利用していくべきだと考えています。
今回は、私たちのような小さなIT企業が、一体どんなツールにどれくらいのお金をかけているのか、リアルな金額と「なぜそれを使っているのか」という理由を赤裸々に公開します。
これから起業する方、すでに会社を経営している方、そして会社員だがSaaS導入でお悩みの方の参考になると思います。
前提:
- 2025年4月の明細ベース
- メンバー数によって変わるツールは大体2~3名分の料金
- 金額はざっくり
📊 サブスク総額:月額64,000円
カテゴリー | 月額費用 |
---|---|
IT開発効率化 | 7,500 円 |
ITインフラ・管理・運用 | 17,700 円 |
マーケティング・営業 | 15,000 円 |
業務管理・効率化 | 19,600 円 |
デザイン・コンテンツ | 2,700 円 |
情報収集 | 1,500 円 |
合計(概算) | 64,000 円 |
🤖 IT開発効率化(月額7,500円)
- Cursor (AIコードエディター) 3,500円
- "AI駆動開発"には必須のツール。こいつによってとてつもなく生産性が上がっています。私1名分の金額ですが、これが仮に10倍の価格になっても課金続けます。
- ChatGPT (汎用AI) 6,000円
- 文章作成、アイデア出し、コード生成、何かの学習、壁打ち相手として。もはやGoogleやMicrosoft同様に必須インフラ。Plusを2名分契約中。
- Replit (開発) 1,000円
- クラウドベースの開発環境。ちょっとした検証に便利。
🛠️ ITインフラ・管理・運用(月額17,700円)
- Railway (サーバー) 5,000円
- Google Cloud (サーバー) 2,900円
- 自社サービスLiveQの動作基盤。LiveQはFirebaseのDB, Auth, Storageを使っているので、その費用。ほぼDB(Firestore)。工夫すれば半額に落とせると思うのだが対した費用ではないのでそのタスクは放置している。(なので正確にはサブスクではなくて完全に変動費なんだけど、毎月ほぼ同じなので含めた。)
- Xserver (サーバー) 1,100円
- WordPress運営がラクなので利用。最近UIがリニューアルされてとても良くなった。
- Cloudflare (Webセキュリティ等) 5,000円
- CDN、ドメイン管理、DDoS攻撃対策、ホスティングなど。Webサイトの運用面で便利だし、セキュリティ対策の機能も強いので採用。
- Bitwarden (パスワードマネージャ) 800円
- パスワードを一元管理。1Password利用していて謎のエラーがあったときにこちらに移行。かなり気に入ってる。
- Firefoo (DB管理) 1,400円
- Firestore専用のGUIクライアント。見やすいし機能も十分で最高。
- JetBrains DataGrip (DB管理) 1,500円
- PostgreSQLのGUIクライアントとして利用。もちろんほかのDBシステムにも対応。見やすくて高機能で最高。
📧 マーケティング・営業(月額15,000円)
- Featurebase (フォーラムサイト開発) 8,900円
- 解約予定。LiveQでユーザーからのフィードバック収集やコミュニティ運営に利用しているが、日本語対応が微妙な割に高いので解約予定。ただコミュニティサイトは欲しいので、DiscourseやFlarumといった代替ツールをセルフホストしようか検討中。
- Mailcoach (メール配信) 2,000円 (変動)
- LiveQのメール配信基盤として利用。API経由や画面経由での送信、そしてオートメーションも組める無敵ツール。料金体系も送信件数によるもので、かなり安い。他の有名どころのツールだと大体リスト数に応じた料金になるがLiveQは無料ユーザーが多いため3倍くらいの価格になってしまうのでMailcoachを採用。一斉配信をやると1万円台には届いてしまうがそれでもかなり安いほう。
- HubSpot (CRM) 2,600円
- 顧客情報の管理と、問い合わせフォーム、そして日程調整ツールとして使っている。安すぎて驚き。
- Buffer (SNS管理) 1,500円
- 複数のSNSアカウントへの一括投稿や予約投稿。SNS運用の手間を削減。
- X(Twitter)プレミアム 980円
- 情報収集および一応マーケティングにも貢献するのと、あとはGrokをたくさん使えて良いので課金している。
🏢 業務管理・生産性(月額19,600円)
- 会計freee (会計) 8,000円
- これ無しには生きていけない。だが機能が大して変わらないのに毎年のように値上げするのは勘弁してほしい。最初は2,000円くらいだったのに...
- Trello (プロジェクト管理) 1,900円
- カンバン方式でのタスク管理。各種プロジェクトの進捗を可視化。Asanaなど他のツールも試したが、Trelloくらいのシンプルさが丁度よいのと、UIが良いためか外部メンバーでもさっと使ってくれやすいので愛用中。
- Slack (チャット) 2,700円
- 社内外のチャット。Google ChatやTeams、LINEワークスも試したが、多くの細かい点がSlackの方が良いと感じ、愛用している。
- Microsoft 365 (パワポ等) 4,000円
- PowerPoint, Excel, Teams(会議のみ), OneDriveを利用している。OneDriveについては、元々Google Driveを使っていたが、こちらに移行。One Driveだとパワポを直接いじれたり、共有時のパスワード付与ができる点、あとはカスタマーサポートMSのほうが良かったので。個人的にはダークモード対応も嬉しい。
- Google Workspace (メール等) 2,200円
- Gmail, Calendar, Meet を利用している。Googleはサポートなど不親切なところが多いので最小限にしている。何かあったときに誰も助けてくれないだろうなという感じが怖すぎる。
- Notion (ナレッジ管理) 800円
- 社内wiki、議事録などドキュメント集約。情報の一元管理に。Notionは機能豊富なのでもっと色々なことができるが、それぞれの機能の体験が良いとは感じていないのであまり使っていない。
🎨 デザイン・コンテンツ(月額2,700円)
- Canva (画像デザイン) 1,200円
- SNS投稿画像、ブログのアイキャッチ、簡単なバナー作成に。非デザイナーでも安心。
- Loom (動画配信) 1,500円
- 動画の録画、編集、共有が簡単にできてとても便利。弊社作成の研修動画に使っている。ウェブサイトへの埋め込みも可能。
📰 情報収集(月額1,500円)
- RSS.app (ニュース取得) 1,500円
- 業界ニュースや競合情報をRSSで効率的に収集。独自のフィードを作れたり、それをウェブサイトに埋め込めたりして面白い機能がたくさんあって良い。公式にRSSフィードが用意されていないニュースサイトもなぜかこれだとフィードを作れるのでスゴイ。
おまけ:無料枠内だが愛用しているもの
最後におまけとして、今は無料枠内で使っているが愛用していて、今後は課金する予定のものを紹介します。
- Rollbar: Web開発ツールで、エラーの計測・監視がとても便利になります。同様のツールとしてSentryも有名。採用当時、Sentryは無料枠が少なかったのでRollbarを採用した。
- v0 by Vercel: Web開発/デザインツールで、テキトーに指示をしてもかなりイケているデザインのWebサイトをv0のAIがサクッと作ってくれる。裏でAIがどうなっているのか不思議。裏側の仕組みを見てみたい。
- LiveQ: 自社サービスだが、弊社は研修をやるときに質問やコメントを集めるのにLiveQを使っている。弊社は無料枠でおさまる範囲くらいで使っている。学校の授業や、企業のセミナー、採用説明会などで使っていただいているようなツール。
💡 ツール選定で意識していること
以上、いろいろと赤裸々に公開してきましたが、ツールの選定はかなり慎重におこなっています。
- 長期的にでも業績に貢献するか?ROI(投資対効果)が高いか?
- 選定者(私)だけではなく、実際のユーザーがどう思うか?
- 導入負荷・メンテナンス負荷が高すぎないか?
- まず私だけとりあえず課金してみて、業務に定着するか?(→高確率で使わなくなり、やっぱいらないね、となるから)
以上です。
この記事が、少しでもあなたの会社のツール選びやコスト管理の参考になれば嬉しいです。
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