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なぜCSSではなくTailwind CSSを使うのか?

CSSの代わりにTailwind CSSを使用するメリットを解説。ファイル間の移動不要、クラス名考案不要、未使用クラスの残存防止、メディアクエリ簡略化などの利点を紹介します。

CSSをそのまま使うのとTailwind CSSを使うのとでは、一見そこまで違いが見えないかもしれません。

なんならTailwind CSSを使うと「クラスばっかり書いてコードが見にくくなるじゃないか!」と最初は思うかもしれません。

しかし、Tailwind CSSを使うべき理由はたくさんあります。

ざっとメリットを並べるとこんな感じ。

  • 開発効率の向上
  • デザインの一貫性
  • レスポンシブデザインのしやすさ
  • メンテナンスのしやすさ
  • AIコーディングとの相性の良さ

この記事では、Tailwind CSSを使うべき理由を具体的に紹介していきます。

Tailwind CSSの人気

最近では多くのフロントエンド開発者がTailwind CSSを支持しています。Twitterでも多くの開発者がその利点について語っています:

https://x.com/peer_rich/status/1774169247637196860?s=46

https://x.com/marekbrze/status/1774160809121251609?s=46

では、具体的にTailwind CSSを使うメリットを見ていきましょう。

CSSファイルとHTMLファイルを行き来しなくてよい

従来のCSS開発では、HTMLファイルにマークアップを書き、別のCSSファイルでスタイルを定義するというワークフローが一般的でした。これは以下のような問題を引き起こします:

  • 2つのファイルを常に行き来する必要がある
  • クラス名を覚えておく必要がある
  • スタイルがどこで定義されているか探す手間がかかる

Tailwind CSSでは、HTMLタグに直接クラスとしてスタイルを適用できるため、1つのファイルだけを見ながら開発できます。

<!-- 従来のCSS -->
<div class="profile-card">...</div>
 
<!-- Tailwind CSS -->
<div class="bg-white rounded-lg shadow-md p-6 hover:shadow-lg transition-shadow">...</div>

これにより開発効率が大幅に向上し、集中力を保ちながら作業を進められます。

クラス名や変数名を考えなくてよい

CSSで最も時間を消費する作業の一つが、適切なクラス名を考えることです。

  • 「この要素は何と名付けるべきか?」
  • 「命名規則はBEMにするか、SMACSSにするか?」
  • 「他の開発者にとって理解しやすい名前は?」

Tailwind CSSでは、.bg-blue-500.flexのような機能に基づいた名前が既に用意されているため、命名に頭を悩ませる必要がありません。これにより:

  • 命名の一貫性が自動的に保たれる
  • チーム内での命名規則の議論が不要になる
  • 新しい要素の追加が迅速になる

さらに、そのようなクラス名を覚えなくても今ではAIが書いてくれます。

作成したクラスの利用をやめた時に使っていないクラスが残ってしまうことがない

通常のCSSプロジェクトでは、時間が経つにつれて使われなくなったスタイルが蓄積されがちです。これは:

  • CSSファイルが不必要に肥大化する
  • パフォーマンスに悪影響を与える
  • メンテナンスが難しくなる

Tailwind CSSは、PurgeCSS技術を組み込んでおり、ビルド時に未使用のクラスを自動的に削除します。本番環境では必要なスタイルのみが含まれるため、ファイルサイズが最適化され、サイトの読み込み速度が向上します。

メディアクエリを考えなくてよい

レスポンシブデザインのために、従来のCSSではメディアクエリを手動で記述する必要があります:

.container {
  width: 100%;
}
 
@media (min-width: 768px) {
  .container {
    width: 750px;
  }
}
 
@media (min-width: 992px) {
  .container {
    width: 970px;
  }
}

Tailwind CSSでは、sm:md:lg:などのプレフィックスを使用するだけで、様々な画面サイズに対応できます:

<div class="w-full md:w-1/2 lg:w-1/3">...</div>

これにより:

  • コードが簡潔になる
  • レスポンシブデザインの実装が迅速になる
  • 一貫したブレークポイントが全体で使用される

デザインの一貫性を保ちやすい

Tailwind CSSはデフォルトでデザインシステムを提供します。カラーパレット、スペーシング、タイポグラフィなどが事前に定義されており、一貫したデザインを実現しやすくなっています。

<!-- 一貫したスペーシングとカラー -->
<div class="p-4 m-2 bg-blue-500 text-white">
  <h2 class="text-xl mb-2">見出し</h2>
  <p class="text-sm">テキスト</p>
</div>

tailwind.config.jsファイルでカスタマイズすることで、プロジェクト固有のデザインシステムを構築できます。

高速な開発が可能

Tailwind CSSの最大の利点の一つは、開発速度です。ほとんどの場合、新しいCSSを書くことなく、既存のユーティリティクラスを組み合わせるだけでUIを構築できます。

  • プロトタイピングがかんたん
  • デザインの変更がかんたん
  • クラス名全く覚えなくてもAIが書いてくれる

カスタマイズの柔軟性

Tailwind CSSでは表現できない / しづらいものにも対応できます。

プロジェクトごとにカスタマイズできます:

// tailwind.config.js
module.exports = {
  theme: {
    extend: {
      colors: {
        primary: '#FF6B6B',
        secondary: '#4ECDC4',
      },
      spacing: {
        '72': '18rem',
        '84': '21rem',
      }
    }
  }
}

これにより、ブランドカラーや特定のスペーシングなどを簡単に設定でき、チーム全体で一貫して使用できます。

まとめ

Tailwind CSSは最初は「うるさい」HTMLに見えるかもしれませんが、その利点は非常に大きいものです:

  • 開発効率の向上
  • デザインの一貫性
  • レスポンシブデザインの簡素化
  • メンテナンスのしやすさ
  • AIコーディングとの相性の良さ

一度使い始めると、その便利さから従来のCSSに戻りたくなくなる開発者が多いのも納得です。

特にモダンなフロントエンド開発において、Tailwind CSSは強力な武器ですね。

最後に、ちなみにですがTailwind CSSすらあまり書きたくない人には Daisy UI や Shadcn UI https://ui.shadcn.com/ などのUIライブラリがあります。