
平均が同じでも意見は違う。Scalesの分布の読み方
研修の理解度や満足度を点数で聞いたとき、平均が同じでも、参加者の回答が同じ場所に集まっているとは限りません。低い評価と高い評価に分かれた結果も、全員が中間を選んだ結果も、同じ平均になることがあります。
Mentimeterの「Scales」は、複数の文を尺度で評価してもらう質問スライドです。平均と分布を見比べると、次にどの項目について話を聞くかを考えやすくなります。
Scalesの平均は分布と回答人数を合わせて読む
Scalesの結果は、平均だけでなく、どの値に回答が集まったかを合わせて見ます。平均は回答を一つの数値にまとめますが、一人ひとりの評価のばらつきまでは表しません。
Mentimeterの公式ヘルプでは、回答が集まると各尺度の線の上に分布が示され、回答が増えると円内に加重平均が表示されると説明しています。線にカーソルを合わせると、回答の詳しい分布を確認できます。
発表後は編集画面の「Results」から「Questions」を開き、質問ごとのグラフを見返せます。回答人数とあわせて、どの文を詳しく話し合うか考える材料にできます。
1・3・5と3・3・3は、どちらも平均3

例として、1〜5の尺度を設定し、同じ文について3人が回答したとします。実際の投票結果ではなく、計算を説明するための架空の回答です。
回答が「1・3・5」の場合、平均は (1 + 3 + 5) ÷ 3 = 3 です。3人とも「3」を選んだ場合も、(3 + 3 + 3) ÷ 3 = 3 になります。
どちらも平均は3ですが、前者は1から5まで回答が分かれ、後者は3に集中しています。「平均3」という数字だけから、参加者全員が中間の評価をしたと考えることはできません。
分布が広がっている項目は、評価の違いについて話を聞くきっかけになります。数字だけでは違いが生じた理由までは分からないため、必要に応じて自由記述や話し合いで尋ねます。
スキップした人はその文の平均の分母に入れない
Scalesでスキップを選んだ人は、その文に答えた人数に含まれません。それぞれの値に選んだ人数を掛けたものを合計し、評価した人数で割ります。
たとえば3人のうち2人が「2」と「4」を選び、1人がスキップした場合、平均は (2 + 4) ÷ 2 = 3 です。スキップを0点として3人で割るわけではありません。
回答した人数は文ごとに異なることがあります。平均を比べるときは各文の分布と回答人数も見て、参加者全員の評価として読み替えないようにしましょう。
スキップ数は、発表画面で該当する文にカーソルを合わせて確認できます。スキップした理由は結果だけでは分からないので、低い評価だと決めつけずに扱います。
Scalesは一つの見出しと最大8文で作る

Scalesは、Mentimeterのライブ発表向けの形式「Menti Live」で作成できます。編集画面の「+ New Slide」から「Scales」を選び、スライド上部の見出しに問いを入力します。
次に、それぞれの文の入力欄へ評価してほしい内容を書きます。「+」で文を追加でき、1枚のスライドに置ける文は最大8つです。
たとえば見出しを「今日の研修について教えてください」とし、「内容を理解できた」「業務で試してみたい」を別々の文にします。理解できたかと試したいかを分けると、どちらへの評価が高いかを読みやすくなります。
8つという上限は、評価対象として入力できる文の数です。尺度の最大値が8に決まっている、という意味ではありません。
両端ラベルとRangeを整え、中間ラベルはDimensionsで変える
評価する前に、数字の両端が何を意味するかを決めます。たとえば1〜5の尺度を使うなら、低い側に「まったくそう思わない」、高い側に「とてもそう思う」といったラベルを付けられます。
端の値やラベルは、スライドの編集画面で該当する欄を選んで編集します。選択時に表示される「Range」では、尺度の最小値と最大値を調整できます。
中間の値のラベルは、「Edit」タブの「Dimensions」で調整します。複数の文を並べる場合は、端から端までの意味がどの文にも合うかを確認しましょう。
スライド内の文全体の平均を表示する機能は、「Edit」の「Show statement average」で有効にできます。尺度や表示の設定は、Scalesの公式ガイドでも確認できます。
参加者はドラッグで評価し、許可されればSkipを選べる

参加者は、各文の尺度にあるポインターを、自分が選びたい値までドラッグして評価します。数字と端点の言葉を手がかりに、それぞれの文について判断できます。
作成者が「Edit」タブで「Statements can be skipped」を選ぶと、参加者は該当しない文を「Skip」できます。たとえば、その研修内容を業務で試す機会がない人にとっては、「業務で試してみたい」という文を評価しにくい場合があります。
Skipを使えば、その文は数値で評価せずに回答できます。
問いと尺度を整えたうえで、評価しにくい文をスキップできるようにするかを決めておきます。結果を見るときは平均だけで結論を出さず、分布と文ごとの回答・スキップ数を見て、意見が分かれた理由を次に尋ねてみましょう。
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