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AIは子供の思考力を奪う?小学生にChatGPTを使わせるべきか

最終更新日:
阿部隼也
阿部 隼也
AIイノベーションズ 代表取締役社長 | x.com/ai_abe_shunya
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iPhone、Macを作ったアップルの創業者、スティーブ・ジョブズは生前、スマホが子供たちの学習に悪影響を与えると考え、子供たちにはiPhoneを与えなかったそうです。

ChatGPTはとても便利なツールですが、「ChatGPTに頼りすぎると考えるクセがなくなってしまう」という懸念を抱く方は多いでしょう。

とはいえ、周りの子供たちがデジタルツールを手足のように使いこなすなか、我が子だけが置いていかれるのもまた心配です。

AIが普及した今、親は「子供にAIを使わせて良いのか」熟考する必要があります。

スティーブ・ジョブズが子供にスマホを持たせなかったように、我が子にはAIに触れさせないようにするべきなのでしょうか。

今まさに自発的思考を身につけようとしている小学生にChatGPTを使わせて良いのでしょうか。

この難題について、筆者なりの見解を紹介させていただきます。

1. 学校の宿題にChatGPTを使って良い?

小学校ではたくさんの宿題を渡されますが、どれもChatGPTなら数十秒あれば解けてしまう難易度のものが多いでしょう。

算数の掛け算・割り算から国語の漢字の穴埋め問題など、子供には難しい宿題もAIに任せれば一瞬で片付いてしまう場合が多いです。

宿題をChatGPTに解かせれば、一瞬で宿題が終わることでしょう。ChatGPTの答えをそのまま提出すれば良い成績がもらえることに間違いありません。

しかし、この「ChatGPTの答えを提出して良い成績をもらう」という一連のプロセスこそが子供の思考力を奪ってしまうのです。

ChatGPTに答えをだしてもらい、成績が上がれば親は喜びます。そして子供は親から褒められるので、一見全ての人が幸せに見えるでしょう。

しかし、ここでの一番の落とし穴は、子供がChatGPTを使うことによって「考えることを放棄してしまう」可能性があることです。

ChatGPTを使うことによって、子供たちは簡単に成績を上げたり、親から褒められるということを学習してしまいます。

そうなると、子供は自分で考えることよりもChatGPTにやらせた方が良いという考えにたどり着くでしょう。

この考えが一時的なものであれば、子供たちへの影響は限定的です。しかし、「ChatGPT>自分の能力」という思考が一度できてしまえばすぐには拭いきれません。

また、そのような考えは長期的に子供たちの考える力を奪ってしまうことになるでしょう。

この流れこそが、多くの人がAIに対して抱いている懸念であるといえます。

特に小学生の間で学ぶ九九や漢字の書き取りなどは、生涯役に立つ子供たちの「財産」となります。

このような機会をChatGPTに奪わせていけないのです。

次の章では、テクノロジーに頼りすぎてしまったせいで、数学のやり方を忘れてしまった自分の失敗談をお話しします。

2. 関数電卓に頼りすぎて、微積分を忘れてしまった大学生

私も大学生時代、テクノロジーに頼りすぎてしまったせいで、微分積分ができなくなってしまったという失敗談があります。

大学生時代、私は自分の計算に自信を持っており電卓を使わずに微積分の問題を解いていました。しかし、自信を持って出した回答が間違っており、減点されたことがありました。

一つの問題が次の問題に繋がっている連鎖的な課題で、私は一番はじめの問題を間違えたせいで、その他の問題すべてにおいて間違えた答えをだしてしまったのです。

友人は関数電卓を使っており、自分も電卓を使ったら一瞬で解けたことに悔しさを覚えました。しかも提出した課題は減点され、成績表でもCが残るという禍根を残しました。

この出来事で、いまも自分の計算能力は信じないと固く誓っています。

この一件から、関数電卓という便利なツールを使うことによって、自分は数学の間違いを減らすことができ、自分の成績も上がりハッピーな気持ちになりました。

でも、この経験で自分が失ったものがあります。その失ったものとは「微積分のやり方」です。

関数電卓という便利な道具を使うことによって成績は上がりました。しかし、私は自分の手で微積分を行うことができなくなってしまったのです。

幸いにも現在の仕事は毎日数学を使うことはないので、微積分の問題を自分の手で解く必要ないでしょう。ただ、私は重度の数学を使う仕事にはつけません。

便利な道具を使うことによって、自分の人生の選択の幅を狭めてしまっているのです。

小学生の間に、テクノロジーに頼りすぎることによって将来できることの幅を狭めてしまったら、とても悲惨です。

無限の可能性を秘めている子供たちには、早い時期からできないことを増やしてほしくないという思いがあります。

それではテクノロジーに頼ること自体がいけないのか?便利なAIを使わないことが答えになってしまのか?そう疑問に思われる方もいるかもしれません。

でも私はそうは思いません。次の章では、どんなときにAIを使うべきなのかについて議論していきます。

3. AIはあくまでサポートツール

前回の章では便利なテクノロジーを活用することによって起きるデメリットを説明しました。

しかし、私自身テクノロジーを使うことに対して反対ではありません。

これからの時代、AIを使いこなせるような人材が重宝されることは間違いなく、子供たちにも新しいテクノロジーを貪欲に使いこなしてほしいのです。

ただ、現在の教育では子供たちのアウトプットをもとに成績がつけられます。そのような環境の中で、自分の頭を使わず、AIに作業をさせることによって良い成績を取ることは極めて簡単です。

そんな楽なことをして子供たちが駄目になっていく様子を私は見たくありません。そのため、課題などChatGPTが得意な宿題では、子供にAIを使ってほしくないと考えています。

しかし、子供が創作活動をする上でChatGPTを使うことに関しては大賛成です。例えば、ChatGPTに自分好みの歌詞を書かせてみたり、絵を描かせてみたり… さまざまなことにChatGPTを使うことができると思います。

学校の宿題と違い、これらの子供の活動には答えがありません。つまり、親や先生を満足させる必要もなく、子供自身が満足するまで子供たちは創作活動を続けることでしょう。

絵を作るのが好きな子なら、自身が満足するまでMidJourneyやDall-Eで画像を生成し続けるかもしれませんし、会話をするのが好きな子なら、自分の好みに会話をするようなAIボットを作るためのプロンプトを書き続けるかもしれません。

ビジネスが好きな子なら、AIが作った絵や文章を親に絵を売りつけてくるかもしれませんね笑

このような子供の自主的な活動にはAIを使っても何ら問題はないばかりか、テクノロジーを使いこなすための良い機会となるでしょう。

もしかしたら、子供たちがAIを使っているうちに自分たちよりもAIの方が賢いことに気づいて、落ち込むこともあるかもしれません。

でも、そのような経験も子供たちにとっては良い学びの機会となるでしょう。自分が感じた悔しさを作文に書けばライターとして活躍できますし、自分より賢いAIを上手く使いこなすコツを覚えれば経営者としてのスキルも身につけられます。

そんなどんなことでもできるチャンスに溢れているからこそ、子供たちにはAIを使いこなしてほしいと思っています。

参考文献 ・ChatGPTを家庭教師にした子の成績「驚きの結果」「ChatGPT」が教育現場にも進出! 子どもが培っておきたい能力とは?〔専門家が徹底解説〕子どもの「ChatGPT」利用に保護者の約7割“規制必要”…「使いこなせれば面白いツール」「懸念点を知ることが大切」との声も
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